WordPress のプラグインであるネットショップ管理プラグインは、写真販売サイトの構築にもご利用いただけます。
写真販売のシーンは、例えば、結婚式や二次会などのブライダル写真、保育園・幼稚園・学校行事(運動会)などの子供の写真、コンサートやダンスの発表会、お祭りや地域イベント、お宮参りや七五三などのスタジオ写真などなど色々です。
今回は、一般的に写真を不特定多数のユーザーに閲覧させるのは好ましくないため、関係者のみに写真を閲覧・購入させる写真販売サイトを構築する手順をみてみたいと思います。
また、写真を閲覧・購入させる場合、いくつかのケースが想定されますが、それぞれの設定方法をみていきます。
- 写真をダウンロード販売する
- 写真をプリントで販売し、郵送する
- アルバムに載せる写真を選択してもらう
- 写真の閲覧のみ
大まかな流れ
写真販売サイトの大まかな流れですが、イベント単位でカテゴリーを登録し写真をアップロードします。そして、そのカテゴリーごとにユーザーアカウントを発行します。閲覧制限については、フロントエンドユーザー管理プラグインの会員制ページ条件で設定します。あとはイベントの関係者にアカウント情報をメールまたは紙媒体でお知らせするだけで、閲覧・購入ユーザーを限定した写真ページをご案内できます。
WordPressやプラグインの環境
今回使用する環境は以下のとおりです。プラグインはいずれも最新版のご利用をおすすめいたします。プラグインの細かな設定方法など解説は各プラグインページをご参照ください。
- WordPress 4.5
- フロントエンドユーザー管理プラグイン 3.0.4以上
- ネットショップ管理プラグイン 3.6.3以上
- 写真販売ツール追加モジュールプラグイン 1.0.7以上
カテゴリーごとにイベントの写真を登録する
まず、イベントごとのカテゴリーを作成します。ここでは投稿のカテゴリーを利用していますが、カスタム投稿タイプやカスタム分類で設定することも可能です。後ほど、会員制ページ条件の設定で、カテゴリーごとの Term ID が必要となるため、Reveal IDs という一覧画面に Term ID を表示してくれるプラグインをインストールすると便利です。
写真は写真販売ツールで先ほど登録したカテゴリーを選択してアップロードします。必要があれば透かし画像を入れます。
写真を閲覧できるユーザーを限定する設定
不特定多数のユーザーに関係のない写真を閲覧されては困るので、閲覧できるユーザーを限定する設定を行います。ユーザー管理のオプション設定の会員制ページ条件の追加で、条件式、リダイレクトURLを設定し、Term ID で先ほど登録したカテゴリーの ID を入力します。ユーザー属性キーとユーザー属性値については、ここでは後述する redirect_to を指定しています。閲覧するユーザーが一人の場合は、user_login(ユーザー名)などを指定してもよいかもしれません。
ログイン後すぐに写真一覧ページに転送する設定
ユーザーに配布したアカウント情報でログイン後、すぐに写真一覧ページに転送する設定をします。
まず、ユーザー属性の追加で、redirect_to というフィールド名を持つ属性を追加します。管理側でのみ使用するので、「管理」にもチェックを入れます。
オプション設定の環境設定にある「新規ユーザー登録アイテムと並び替え」でユーザー名やパスワードと先ほど設定した転送先にチェックを入れて保存します。その他の項目については適宜チェックを入れます。
また、同じ環境設定にある「ログイン済みは、ログイン後URLに転送」にチェックを入れます。
最後に、ユーザー追加で転送先に追加するユーザーに閲覧させたいイベントの写真ページのURLを指定してユーザー登録すれば、ログイン後すぐに転送先で設定した写真一覧ページに転送させることが可能となります。
必要のない縮小画像を作成しない設定
WordPress ではデフォルトの設定として、メディア設定で設定されたサムネイル、中サイズ、大サイズの縮小画像を作成するようになっています。今回の事例では写真一覧のサムネイルサイズと詳細画面用の中サイズしか使用しないので、大サイズは最初から作成させないようにします。作成しないようにするのは値に「0」を入力するだけです。
逆に画像サイズを追加する場合は、Max Image Size Control などのプラグインを使用してください。
写真をダウンロード販売する
ネットショップのオプション設定にあるダウンロードオプションで設定します。必須の設定となるのがダウンロード絶対パスです。URL からはアクセスできない場所を指定して写真データを保護します。ここでは「ご購入履歴でのダウンロード」にもチェックを入れておきます。
写真販売ツールの設定は、ダウンロードサイズのフルサイズにチェックを入れるだけです。
ユーザーが写真をカートに入れて注文を完了した後、入金が確認できれば、注文管理で処理済みなどの最終処理ステータスに設定すれば、ご購入履歴からファイルをダウンロードできるようになります。決済モジュールでクレジットカード決済などを利用すれば、一連の処理を自動化できます。以下の例では、支払方法のみの選択で、注文者や送り先情報など必要のない注文ステップは省略してあります。
写真をプリントで販売する
ダウンロード販売とは異なり、写真を印刷して郵送する場合を考えてみます。
まず、写真のアップロードですが、ダウンロード販売とは異なり、ダウンロードサイズのチェックは必要ありません。
写真のプリントサイズをユーザーに選択させる場合は、プリントサイズ(L版や2L版など)を指定します。また、元データとなるフルサイズ画像も必要ないので、「アップロード時にフルサイズ画像を削除する」にチェックを入れます。
注文時に注文者や送り先情報を入力してもらうように環境設定の「注文者情報の使用」や「送り先情報の使用」にチェックを入れておきます。また必要に応じて配送オプションで送料の設定をしておきます。
アルバムに載せる写真を選択してもらう
結婚式などアルバムに載せる写真を選択してもらうツールとしてもご利用いただけます。商品テンプレートでカートに入れるボタンの代わりに、[product option=add_to_cart_checkbox] を記述すると、カートに入れるボタンがチェックボックスに変わります。また、[product addtocartall=1 only_addtocartall=1] をアーカイブページなどで出力すると、チェックボックスにチェックを入れたものをまとめてカートに入れることができます。
価格表記などが必要なければ、適宜オプション設定で修正してください。
写真の閲覧のみ
写真の閲覧のみさせてい場合は、オプション設定の商品テンプレートでカートボタンの出力となる「[product option=add_to_cart]」を削除するだけです。オプション設定の商品テンプレートは以下のような感じです。
また、Lightbox Gallery のようなプラグインを利用することで、写真の詳細ページに遷移することなくポップアップで画像を閲覧させることも可能になります。
まとめ
閲覧・購入ユーザーを限定した写真販売サイトを WordPress のプラグインであるネットショップ管理プラグインや写真販売ツールを利用して構築する手順を大まかにまとめさせていただきました。
ネットショップ管理プラグインは非常に汎用的なシステムで様々な用途でご利用いただけます。もし現在お考えのECサイトがネットショップ管理プラグインで作成可能かご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせいただければ、と思います。